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ベトナムの銀行について2-銀行送金の注意点-

更新日:2020年4月20日

初めましての方もそうでない方も、

BLACK SHADOW CO.,LTDのManaging Directorをしております、

田渕でございます。

弊社はベトナム進出支援、進出後の運営支援、ビザ取得代行を手掛ける、

コンサル会社になります。


本ブログの趣旨は『ベトナム進出に際して役に立つ情報』

をコンセプトに書いていきたいと思います。


さて、私は今年(2019年)の7月末まで某日系メガバンクに勤めておりました。

そんなこともあり満を持して元銀行員っぽいことを記事にさせていただきます。

前回の記事で個人口座開設について触れましたが、

今回はベトナムの銀行にまつわる細かいルールの説明記事になります。


前回の記事で皆さんが『面倒だな、、』『???』と思われた点について、

おそらくは以下の2点かと思われます。

・なぜ給与振込するのに、労働契約書の提出が必要なのか?

・外貨⇒VNDは可能なのに、なぜVND⇒外貨はダメなのか?

簡単に説明いたしますと、ベトナム中央銀行による規制のためです。

※通達等の内容は解釈が分かれるため、記事は実際の運用に絞って書きます。


上記の2点を細かく解説いたしますと、

・なぜ給与振込(入金)するのに、労働契約書の提出が必要なのか?

⇒マネーロンダリング対策で、入金される資金の状態を確認する必要があるためです。

給与振込のみで個人所得税などが全てクリアされていれば、

ベトナムの口座からご自身の海外口座にも振込可能です。

ただし、窓口にパスポート持参が必要です。ネットバンキングは不可。

※上記は私が口座保有するベトコムバンクの場合。他行については別途ご確認ください。


ちなみにこの労働契約書の提出ルールですが、

私のいた日系メガでは給与送金をする法人(現地法人)側にも適用されています。

ただし、『外国人に外貨で支払う場合』のみでした。

外国人への給与でもVND支払いの場合、給与明細(要代表者サイン・社印)で可能でした。

※ベトナム現法からベトナム人スタッフの方への支払いはVNDのみ。


・外貨⇒VNDは可能なのに、なぜVND⇒外貨はダメなのか?

⇒口座内でVNDから外貨へ替えるには、実需要に基づく必要があります。

これは個人だけでなく、法人用の口座でも同じです。

逆に言えば、外貨にする(支払う)理由付けと資料の用意ができれば原則可能となります。


正直なところ、街中の両替商の方が銀行よりもレートが良いので、

個人レベルであれば外貨の口座を持たなくても全く問題ありません。

ベトナムに住む場合、日常生活でVND以外を使うことはほとんどないので、

個人口座開設時にVND口座しか持っていない人も割といます。(私もそうです。)


最後に参考データと営業トークをして、締めさせていただきます。

通達で定められている外貨口座の用途(JETRO様のHPより)

https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/trade_04.html

こちらの4項目目、貿易外取引をご覧ください。


今回の記事以外にも、非常に煩雑な規制が多く、すべては書ききれません。

新規進出の方、新たに赴任される方がよく心が折れています。

その一方で、規制を避けるための運用や細かい技も多数存在しています。


弊社ではこのようなベトナム商習慣、新しい方が引っかかる事項、

それらを上手く避けていくための運用について、

顧問契約も行っておりますので、ご検討いただけますと幸いです。


次回はちょうど操業して3か月、少し振返りをしてみたいと思います。

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